ピラミッドの謎、透視で分析

エジプト考古省は25日、首都カイロ郊外のダハシュールにある「屈折ピラミッド」などの構造上の謎を解明するため、岩石を透過する宇宙線を使って内部を透視し、分析するプロジェクトを開始すると明らかにした。構造物を傷つけることなくピラミッド内部を究明が進むと期待されている。
プロジェクトは名古屋大の森島邦博特任助教らが協力し、宇宙線が大気に衝突した際に生じる「ミュー粒子」による透視技術を利用し、ピラミッドを調査する。この技術は東京電力福島第1原発の原子炉内部の調査や火山の内側のマグマの研究にも活用されているという。
ミュー粒子は大気中に常時降り注いでいる素粒子。物質の密度が高いところでは多く吸収される。この性質に対し、ミュー粒子を計測、分析することでピラミッド内部に隠された玄室などがあればその発見につながるという。考古省主催の記者会見に出席した森島氏は「素粒子実験で開発した技術を考古学の分野に使えるということは、非常に有意義だと思う」と語った。
屈折ピラミッドは紀元前27世紀頃の古王国第4国王朝初代、スネフェル王が建設。傾斜の角度が途中で変わる。スネフェル王はギザの大ピラミッドで知られるクフ王の父だ。透視技術によってこのピラミッドの謎が解明されるのが楽しみだ。